Surja Long Interview-02

Ⅱ 私たちがしなければならないこと:

1. 農業という職業は商業化されるべきである。

 作目選択を見れば、Sankhuはすでに商業化しています。乾季の小麦が夏バレイショ、冬バレイショに変わり、今はトマトが増えています。ちなみに、トマトの栽培技術は日本の「雨除け」といわれる栽培技術を採用しています。

 自給的農業が商業的農業に変化する際には、よくも悪くも、流通業者の役割が大きいのです。農家から買い入れるのは、集荷業者です。日本では、流通業者に農家の受け取り価格が買いたたかれないように、バーゲンニングパワーとして農業協同組合が農家から農産物を買い取ります。そして、市場の価格を安定させます。スリエさんの話していたPanautiの会社のように、契約栽培で農家が安定した価格を受け取る例もあります。いずれにしても、家が個々に売買するのではなく、集団的な交渉力の行使が必要です。

Sankhuでは、

1.誰がバレイショ、トマトを集荷していますか?いつも同じ集荷業者から買いますか?

2.農家は、カリマティ市場のバレイショ、トマトの価格、すなわち卸売価格を知っていますか?

 小規模の農家が、安定した収益を得るためには、「集荷」業者との間で価格交渉する力、バーゲニングパワーを持たなければなりません。個々の農家の力では、できません。

 日本の例では、東京に近い県の農業経営は、経営面積は小さくとも、高い収益力を持っています。市場に近く、輸送コストが低いからです。サクーも同じです。

 東京市場から遠い所にある北海道では、農協を通して、玉ねぎ、にんじん、大根などの重量野菜を、定時・定量を出荷します。そのため、北海道の農協は大きな定温貯蔵倉庫、輸送手段に投資しています。

2. 生産性を向上させるために、堆肥肥料とNPK の使用を奨励する必要があります。

 堆肥とは何か、何故栽培に有効なのかから整理する必要があります。肥料の投入による増収意欲はあっても、肥料を購入できない現状があります。Potatoは水稲栽培で湛水するため、土壌浄化(病害虫の死滅)効果はあるようです。

3. 生産されたPotatoesを一個所に集め、Sankhuブランドとして販売する必要がある。

 どのように実現しますか?まずは、簡単な選別作業の場所を確保してはどうでしょうか?少なくとも品種毎に、大きさで分類するなど、簡単なことから始めてはどうでしょう。

 ブランドは市場において買い手が何を求めているかが重要です。差別化するための要素は、安全・安心が基本となりますが、それだけではブランドにはなりません。誰がどのような形で買うのか、マーケットを研究しましょう。

 ブランドを考えるのと同時に、

 私たちのグループの誰もが、Bajyurayogine寺、Salinadhi寺に来る人々が食べるポテトをイメージしました―昨年、家庭用油揚げ電化製品をプレゼントしましたね。100vへの電圧変換器を買って、今回試してください。今回、思いついたのは、Salinadhi寺のそばのレストランで”サクーフライドポテト”のブランドで、お祭りのときに作って売ることです。お寺の参拝者は食べるでしょうか?

4. ここの農家には、格付けを行うべきかどうかの知識がありません。

 格付けの目的は何でしょうか?現在の基準は、L,M,S,SSの大きさだけですが、それだけではブランド化には対処できません。パーツカルのバレイショは、よい例ですか?

5. 生産されたジャガイモは加工され、市場で需要される

 (例:ポテトチップス、フィンガーチップスなど可能性を秘めた製品づくり)協力モデルに持ち込むべき

 加工に対応するためには、貯蔵の必要性があります。加工場を通年の稼働させることが重要です。何よりも購入者がどのような加工食品を求めているかを調査しなければなりませんし、それは時代とともに変化します。協力モデルは良いアイデアですが、加工業者はより安い生産物を使いたがる傾向にあります。インドからの輸入の増加には注意が必要です。

6. 土壌を健康に保つことができないため、また「署名」されていない?ため、市場では良い値段がつきません。

 土壌の健康の指標は何でしょうか。土壌の健康が保てないのは化学肥料の多用によるものでしょうか。そうか病は、土壌のpH管理で対処することが可能です。土壌には、以下の3つの機能があります。

土壌微生物の活発化

Activating soil microorganisms:suppressing the activity of harmful soil pathogens.

団粒構造の形成

Formation of Aggregate Structure:the formation of a crumb structure. an optimal environment for plant roots to take hold

土壌緩衝能の向上

Improvement of soil buffering capacity: the temperature, water retention property

7. コミュニケーションと公衆衛生を改善するため、必要に応じて国民の意識を高めるためのさまざまなプログラムを実施することが非常に重要です。

 今回、私たちはWebサイトを使って、サクーの皆さんと私たちのコミュニケーションを図れるよう、頑張っています。スリエさんの言うように、最終的な目標がはっきりしない場合、よいプログラムを作ることはできません。

8. 生物農薬や有機肥料の使用の可能性を研究する必要がある。

 生物農薬、有機肥料に何故着目するのですか?

 Sankhuはカトマンズという大消費地に立地しています。これからは畜産(特に酪農)が成長部門になります。そうすると、たい肥、有機肥料は、現在より多く、利用できるようになりますね。なお、現在、生物農薬は高価で、グリーンハウスで使用されています。

9. 必要があれば、プログラムを成功させるために技術者を雇います。

 最終的には、上記のプログラムを成功させるために農家を支援できる可能性があると考えています。

 スリエさんが、経験をもとにアドバイスすることはよいことです。北海道の技術普及の技術者は、地域の優れた農家の技術を、誰もが使えるように改良し、その技術を普及します。すでにSankhuにいる優れた農家がいるならば、彼を地域の農業の先生にすべきです。いないならば、探す必要があります。Panautiの友人の会社では技術者を雇っていますか?

以上、知識の普及・技術的な問題はステップ・バイ・ステップで解決できると思います。

 私たちは、今までスリエさんの指摘された課題をふまえて、一つの実現可能な提案をしました。サクーの農業の価値を高める一つの選択肢です。それは、ポテトの付加価値の向上を目指した、提案です。

 ポテトチップ、コロッケは、日本で成功しています。まず、小さなビジネスとして始めてはどうでしょうか?女性も参加のチャンスが広がります。食べて、おいしければ評判になります。YouTubeで宣伝してくれるでしょう。Bajiriyogini寺のそばのレストランと協力して新しいメニューとして売り出してはどうでしょうか?

 私は、スリエさんの旧宅の庭で、食べてみたい。Ga-ichiもある、歴史を感ずることのできる空間です!クリシュナさんは、オーガニック農業をやっていますね?そうした友人と協力すれば、メニューも広がります。

ヨーロッパでもオーガニックのお店は人気があるそうです。

 まず、ブランド化のために、品質の保証、原材料の明記、特徴の明示など、いくつか消費者に分かるように伝えます。この作業をすることで、バレイショ生産の課題が整理され、解決されるかもしれません。

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