(1)Aブロック:Sankhuブロック
Salinadi川の最下流域、Sankhu市街地と市街地北部の緩傾斜、東部(Salinadi川まで)及び南部(Monohara川)の平坦地である。市街地、宅地以外の平坦地は、耕地として利用されているが、農地以外の宅地利用が進行している。河岸段丘の傾斜地には林帯が存在する。
耕地の利用方法は、水田用水が供給される区域の基本は稲作と夏ポテト、冬ポテトの三毛作となっている。用水供給が困難な下流区域ではトマトのハウス栽培が広がっており、収益性が高いためか、稲作からトマトへの変換も認められる。

Photo- 1 Vajrayogini Temple 付近からAブロックの市街地、耕地(トマトハウス)
A、Bブロックの土地利用の変化 2005〜2024年
(2)Bブロック:プクラッチブロック
AブロックとSalinadi川を挟んだ東側から分水界までの区域である。緩~傾斜地、Cブロック(保護地)の南側に位置するが、規制が無いため以前から農地として利用されているが、近年は宅地、リゾートの利用が進む。Anita-Surja Houseもここにある。沢沿いには林帯が残る。

Photo- 2 Surja-House 屋上から宅地が目立つBブロック(丘陵)、山林(左上)のCブロック
(3)Cブロック:保護地ブロック
Aブロックの東側、Bブロックの北側に位置し、Salinadi川からEL1,870mの分水界までの区域である。国有地、自然林地として保護(開発行為を規制、住民組織で管理)されている。Sankhuの用水源地からは外れている。

Photo- 3 Fブロックからブロック内耕地とCブロック(中央奥の山林)、Dブロック(中央奥の耕地から左の山林)
(4)Dブロック: 水源地ブロック
Cブロックの北側、Cブロックと同様にSalinadi川からEL 1,860mの分水界までの区域である。
所有不明(国有地?)であるが、水道水源域となるため開発行為は規制されている模様。仏教寺院(Tara Sangchen寺)以外は山林となっている。水道取水河川の上流には2箇所の貯水池が配置されているが、既に土砂により機能は停止しており湿地化している。Sankhuの用水源地となっている。

Photo- 4 Dブロック内の水源ダムから上流の山林
(5)Eブロック:中流山林ブロック
A、Dブロックの北側、Vajrayogini Templeの山道区域からKalika Sharanへの幹線道路までのSalinadi川の中流域である。傾斜が急なため山林利用が卓越するが、ブロックの東部、西部の緩傾斜地では農地として利用されている。

Photo- 5 Gブロック分水界付近からFブロック(中央山林と左上部山林)、Eブロック(左耕地)、Gブロック(右耕地)
(6)Fブロック:中流耕地ブロック
Eブロックに外周を囲まれたサルナディ川の中流域である。傾斜地の農地利用が卓越しており、沢沿いの急傾斜に山林が残る。

Photo- 6 Eブロックの幹線道から対岸のFブロック耕地

Photo- 7 Fブロック内のイスクス(ハヤトウリ)栽培地
(7)Gブロック:上流耕地ブロック
Fブロックの北側、Salinadi川上流域の農地利用が卓越する傾斜地である。ブロック東部の分水界には流域外の北部地域と結ぶ幹線道路があり、集落、寺院、リゾートと称する保養施設も散見され開発が進んでいる。Gブロック北部では巨大なチベット仏教寺院が建設途中であり、近傍には学校も整備され、宗教的社会を形成している。チベット仏教寺院の近くには公共(海外資本?)の高齢者施設がある。

Photo- 8 Gブロック内の幹線道路からGブロックの耕地

Photo- 9 Gブロック内の学校施設と分水界付近の耕地

Photo-10 Gブロック内のイスクス畑、対岸もGブロックである。
(8)Hブロック:上流山林ブロック
Gブロックの北側、Salinadi川の最上流域、急傾斜地のため山林利用が卓越している。ブロック内の北西部を横断する道路は1985年にも認められるが周辺地での開発行為はない。

Photo-11 Changu Narayan Templeへ至る尾根筋からHブロック(中央奥の山林)、Eブロック(左の山林)、Cブロック(右の山林)、Aブロック(中央平坦部)

Photo-12 GブロックからHブロックの山林(10月3日は、下の道路を通過してきた)、Iブロックの一部が右上に見える。
(9)Iブロック:最上流耕地ブロック
Hブロック内の上流域、農地利用が卓越する傾斜区域である。Google Mapsからは、高標高部であることから作物生産も困難と想定され、耕作放棄地的な状況が伺える。
(10)山間地の道路
山間地を結ぶブルドーザー道の整備は、サンカラプール市が行っており、バケットローダー等の大型機械による管理も行われている。しかし、傾斜地であるため、切土面と盛土区域が多く、排水施設(側溝等)、法面保護工が無いため降雨による崩壊が発生しており、路体の損傷、河川への土砂供給と荒廃をもたらしている。10月3日の走行時にも荒れた路面で四輪駆動車がスタックした。通行する数台のバイクから人が集まり、車を押してくれた。困った人を助けることを厭わない気持ちが溢れていた。

Photo-13 Changu Narayan Templeへ至る尾根筋からHブロックの背後にそびえるLangtang HimalのDorje Lakpa(6,966m)耕地部分は、Fブロックの尾根近くの部分である。