Sankhu 夏Potato栽培試験計画書(案)
1 試験目的
(1)SankhuのPotato栽培を慣行施肥と推奨施肥で行い、大きさ毎の収量比較を行うことで、推奨施肥の評価を行う。
(2) Potatoの疫病防除を慣行と観察+DSV値に従い実施し、疫病の経過、大きさ毎の収量比較を行い、観察+DSV値区の優位性の評価を行う。
2 圃場位置
バグマティ州、サンカプール市、スントール Surja Narayan Shrestha氏の圃場(以下、Surja圃と称する)
Fig-1 試験圃の位置図
3 試験計画
(1)試験区の設定
Surja圃内に2施肥区、2防除区の4区画を設け、同一Potato品種(Janakdev)を播種し、生育状況、疫病初発日および疫病状況を観察する。
慣行施肥区をTraditional区(以下、T区と称する)、推奨施肥区をSurja区(以下、S区)と称する。慣行防除区をMancozeb区(以下、M区と称する)、観察+DSV区をDSV区(以下、D区と称する)を設定する。
これらの組み合わせから、慣行施肥・防除区をTraditional-Mancozeb区(以下、TM区)、推奨施肥・慣行防除区をSurja-Mancozeb区(以下、SM区)、慣行施肥・観察+DSV値防除区をTraditional-DSV区(以下、TD区)、推奨施肥・観察+DSV値防除区をSurja-DSV区(以下、SD区)と称する。
試験区の配置をFig-2に示す。
(2)pH試験の実施
施肥前に表土から5cm深の土壌をサンプリングし、乾燥後に販売水(pH7.2)による土壌撹拌水を5時間以上放置した後、pHメーターにより計測する。Potato収穫後は、畝土の土壌をサンプリングし、同様にpHメーターにより計測する。
参考圃場においても同様に実施する。
(3)施肥の設計
T区の施肥は、周辺農家で一般的なChiken-Compostoと尿素の組み合わせとする。施肥量は、農家及び肥料販売店からの聞き取りを元に設定した。S区は、Sankhu在住の農業技術指導員2名の情報を元に、N,P,Kの配合を設定した。
2試験区の施肥をTable-1に示す。
(4)防除計画と実施
慣行防除区は、近隣農家が行う一定期間毎に防除を行う。観察+DSV区は、Potatoの疫病観察、NexagによるDSV値を参考に防除を行うものとする。両区とも降雨時は日程を翌日に変更する。
(5)収量調査
収穫時は、各試験区の3畝分のPotato(同一株数)を収穫し、大きさ毎にグレーディングを行い、収穫量を計量、写真撮影、記録する。
記録表(別添)
(6)圃場気象の調査
Surja圃の気象情報は、近傍に設置したNexagの観測Dataを使用し、観測値からDSV値を算出する。
(7)参考圃場の情報収集
近接するRameshowさん、近隣のディペンドラさん、ラジェスタさん、上流のラクシミリさんの施肥量、畝間、株間、防除日を記録し、設定試験区と同様に3畝分の規格別収量を計量、写真撮影、記録する。
4 栽培実施
Surja圃の管理、観察、収穫までの一連の作業はSurjaさんが実施するものとする。
1)前作の収穫
10月6日に稲の収穫を外部労力により行った。
2)耕起、畝立て
10月8日に外部労力により実施した。
3)施肥
10月8日に一次畝立てと二次畝立ての間に実施した。
4)播種
全試験区の栽培間隔(畝間、株間)は同一とする。
畝間:75cm、株間:20〜25cm(種Potatoの大きさにより調整)
5)灌漑
夏Potatoの種イモ植え付け時には、土壌水分が十分と判断されるので、灌漑を行わない。2度ほどの灌漑を予定している。
5)防除
疫病発生対策の使用資材は、Mancozeb(製品名)
6)肥料の追加
生育状況に応じて追肥を行う
7)培土
2回
8)収穫
収量調査に基づき、収量調査を行う。
5 管理日報
管理状況は、管理者が日々観察し、状況メモ、写真をWhatsappによりNPO RGADに送信する。RGADは日報としてこれらの情報を整理する。
6 収穫量
7 試験結果の評価
収穫量を金額換算し、投資費用との比較、施肥による優位性を農業経済学の観点から検証する。
8 試験費用
試験圃面積の一般収量をRGADが全額補償する。
9 試験計画の変更
試験内容は、現地の状況、Surjaさんとの協議により、適宜変更するものとする。