20240928 Meeting Statement

参加者 Julum Shrestha san、Dipendra san、Samila Shrestha san、Surja san、Jeevan san(通訳)、Osanami sennsei、Omote

 Kathmandu周辺は前日からの長雨の影響で洪水が発生、停電も頻発し、予定していた札幌とのMeeting は出来なかった。

Osanami :Meeting参加へのお礼、今回は具体的な話をお聞きしたい。まず、Julum sanには、Sankhuの農業について、女性の立場からお聞きしたい。

Julum san:農業は、個人で行うのは難しい。グループで行えば良いのだけれど、なかなか出来ない。

Osanami:Sankhuではオーガニック栽培は出来ませんか?

Julum san:日本(帯広の例)のように、オーガニック栽培をすることは難しいところがある。ここでは、農薬を使い過ぎている。

Osanami:Sankhu周辺の傾斜地で、小さくオーガニッ栽培をしている例があるが、どう思いますか?

Julum san:オーガニック栽培と言っているけれど、100%オーガニックではない。少し農薬を使っている。

Osanami:日本でも使って良いオーガニックの農薬があります。

Julum san:使えない農薬を使っている。

Osanami:普段の生活で、Sankhu生産の野菜を買いますか?

Julum san:Sankhu生産だけでは足りないので、無い日はSankhu以外の野菜を止むを得ず買っている。

Osanami:店が沢山ありますが、店の人はSankhuの野菜と分かって売っていますか?

Julum san:Sankhuの野菜だけを売っている店はありません。

Osanami:全ての野菜をSankhuで揃えるのは難しいのでしょうが、Sankhuの野菜を沢山扱っている店はありますか?

Julum san:個人では売っています。キュウリ、ホウレンソウなどは自分で収穫して売っている人も居ます。

Osanami:日本では、朝だけ開く市場が観光地としても有名です。毎朝、地元の人が地元で生産された農産物や海産物を、路地の小さな出店で売っています。そのような方法をすれば、店を持たなくても販売できるのではありませんか。

Julum san:日本のように時間を決めて売ることはしていません。朝は皆忙しいし、自分の都合で買い物に来るので、対応が難しいと思います。

Jeevan san:ローカルマーケットは特別な日に開催されます。ネパールにもハットバザールと呼ばれる市場が田舎に往くとあります。タライやカトマンズ付近にもあります。

Osanami:Sankhuは、美しい農村なので、長く農地を残すことは良いことだと思いますが、どうでしょう?

Julum san:私は残したいと思いますが、皆はそう思っていません。

Osanami:私の理解では、土地を持っているがKatumanduに住んでいる人もいます。Sankhuに住んでいる人とのコミュニケーションに問題はありませんか?視点が異なるのではありませんか?

Julum san:考え方は絶対に違います。Sankhuの人は、農業で暮らしているから農地を守る意識はあります。Kathmanduの人は、重く感じては居ません。農業をする必要が無いので、住宅を建てて、人に貸しています。

Osanami(Dipendra sanへ):東京のように都市化しても、農業で成功している例もあります。Sankhuも都市化してゆく中で、とうやって農業をしてゆこうと考えていますか?

Dipendra san:私たちも農業をしてゆきたい。そのためには、中央政府や地方政府の支援が必要だと思います。政府で市場を管理し、米やPototaの生産経費費より販売価格が安くなる場合があるので、そのような時は政府に援助してもらいたい。

Osanami:経費より価格が安いことは何度もありましたか?

Dipendra san:作物が上手く出来なかったことや、出来ても経費以上に売れなかったことが2〜3回/10年ありました。夏Potato、冬Potato両方で起こり、冬Potatoの方が多かったです。

Osanami:トマトのように青果物を栽培すると、日本でも価格の変動があります。Potatoの価格変動は大きいのですか?

Dipendra san:変動はあります。特に5〜6年に1回は、大きな変動があります。前冬は価格が高く、50Rps/? でした。Nepalの農産物価格が高い時期は、インドや中国から農産物が入ってっこない時です。インドでは4年に1度、選挙があり、その時は入ってきません。

Julum san:Nepal政府の政策が無いから農家は苦労しています。

Dipendra san:インドには政府が農産物を買い取って売る仕組みがあります。Nepalでは、農家が頑張っても売れないので、1回失敗すると農業を止める人も居ます。

Osanami:日本はアメリカからの米の輸入を防いできました。価格の変動に対しては、政策をもった方が良いと思います。

Dipendra san:Nepalにはそのような政策はありません。

Osanami(Samila sanに対し):私は、Nepalの農業政策に詳しく有りません。簡単に説明してもらえませんか?

Samila san:Nepalの行政は、中央、地方(州?)、市・町? の三層構造となっています。全ての行政組織が農業に対し、頑張って来ていると言っています。しかし、いくら言っても、政策を作っていると言っても、実際に農家までに政策の利益が届いていないことを私は実感しています。

Osanami:日本では政府が、農業技術を高めることに役割を果たしてきました。Nepalでは、農業技術の普及に関してはどうですか?

Samila san:中央政府は実施していますが、​​Shankharapur市は技術的な面ではあまり対応していません。農業を行っている人は、お爺さん、お父さんから引き継いでやっているだけです。米、Potato生産を個人で行っていますが、集団的、ビジネス的な農業をやっている人は少ない状況です。例えば何人かを集め、グループとして市に登録すれば、補助金もありますし、市として支援をすることはできます。山の方に往くと「イスクス」を生産している人が沢山居ます。栽培に必要な資材は、市として支援をおこなっています。

Osanami:小さなグループが機械を購入することを市に申請する場合、補助金、銀行から借りた場合の利子補給のいずれを支援しているのですか?

Samila san:農家が水路が無い場合の資材、トラクターなどの費用の50%は市が補助しています。

Osanami:イスクスの話がでました。日本では、新しい作物、伝統的な作物生産に支援をすることがありますが、市にはそのような制度はありますか?

Samila san:Sankhuでも、もし新しい作物を作りたい人に対しては、支援をしたいと思っています。Sankhuでは米とPotatoだけなので、我々は、何か新しい作物を作ろうと言っています。サトウキビを視野に入れて話をしている。山の方で、去年から新しくサトウキビを作っている人が居て、サトウキビから砂糖にして売る人も居る。遠いところから買いに来る人も居る。なので、新しいことをしたい人には市から支援をしています。山の方はイノシシの被害もあって、困っている人がいる。イクスクよりも、サトウキビは安全なので、去年から始めました。これからもサトウキビを栽培する人には支援したいと考えています。上の方には暑い所があります。今年からバナナを始める計画もあります。

Osanami:それは、​​Shankharapur市内ですか?

Samila san:それは、1区です。高地だが暑く、気温が高いのです。暑くなるはずがないのですが、下の方に川があり、メランチと言う所が暑く、そこの暑さが伝わるのかはっきりわかりませんが、バナナに良い気候だと把握しています。

Osanami:私たちは、米、夏・冬Potato栽培は、10年前から環境に配慮した良いシステムであると農業経済学者として評価してきました。

Samila san:5、6、8、9区はPotato生産で有名です。全域の問題は疫病の発生、これが解決できれば生産量を増やせるし、価格も上がるとので良いと思います。

Osanami:NPOは、2018年からSankhuにWeather Stationを設置し、日本で気象Dataを見ながら疫病(Dharwa)の発生予測する研究をしてきました。

Samila san:Potatoの疫病に対し、昔から農薬を使ってきました。どうやってこの疫病を避けるのか、どんな農薬を使えば良いのかが課題です。何人かの人が集まって、自分たちで周りにある漢方薬、牛尿、いろいろ混ぜて造った物を使うことで、疫病を避けることができました。それは、イスクスに使ってみたら生産量も増えたし、疫病も無かったらしいです。

Osanami:そのグループを知っていますか?農薬だけでなく、栽培方法で解決することもあります。私は、来週もSankhuに滞在しているので、ぜひ話を聞かせていただきたい。

Samila san:4区にあります。私は、グループを知っています。山の上の方に、私の友達がいるので、連絡を取って都合を聞いて連絡します。

Osanami:私たちのNPO活動は、適時にMancozeb(成分名)を散布することで、散布回数を減らすことを地域に伝えたいと考えています。Mancozebは、女性ホルモンに影響を与え、不妊をもたらす原因になります。使うなとは言えませんが、使う時(特に希釈時)は、細心の注意をしなければなりません。

Samila san:少数の人だけが農薬使用に注意しているのが現状です。気にせず普通に使っている人がほとんどで、風向きすら気にしていません。農薬が呼吸で入ってきます。そのようなことが無いように、市としても指導したいと考えています。

Osanami:是非お願いしたいと思います。私達も以前、NPOとして、農薬散布に関するパンフレットを作りました。一部差し上げますので見てください。米、夏Potteto、冬Potatoの作付け体型が素晴らしいt言うお話をしました。生産では、水も使ってきました。それは街全体の水の使い方に大きく関係していると思います。全てがハウスになるよりも、ちょっとした空間を残して欲しい。我々は、水を守る観点からも、Sankhuの農業を守ってほしいと思っています。

Samila san:農業に関しても水路は本当に大事だと考えますが、皆が分かっているわけではありません。集団として守る人たちが居ない。最近、水路を大事にしないし、水路の両側に土地を持っている人は、土地を売って家を建ててしまいます。水路沿いのあぜ道がどんどん無くなっています。そうなると、水路の管理もできなくなってきます。水路を守ることの大切さは分かっていますし、これからもそうしたいと思っています。

Osanami:有難うございます。少し安心しました。日本の農業は水田が中心です。水田は、地域を洪水から守ったり、被害を少なくする効果もあります。何よりも地域の水を何百年も上手に使ってきました。それはSankhuも同じ歴史だと思います。ですから、違う観点から農業を守ることが非常に大事だと思います。

Samila san:水路周辺を大切にしてゆかねばなりません。Sankhuは水路がありますが、上の方だと森の方から水路を造って、水を持ってこなければなりません。それには沢山の費用がかかるため、県政府に予算をお願いしています。

Osanami:Sankhuの農家は売るときは、Potatoを直接売るのではなく、付加価値を付けて売ることをお話したい。例えば、フライドポテトにして売る。お祭りのときに名物として売る。地元の人がお金を掛けないで、付加価値をつける方法がある。そうやって、SankhuのPotatoは美味しい、農薬も使わないPotatoを売るなどの展開の可能性がある。そのような投資を市にもして欲しいと考えます。Potatoを生産した人が自分で売る。農家の方が忙しいのであれば、街の若い人が、ここでしか食べられない料理の店を出す。日本でも行われている。Sankhuは歴史、文化がある街なので、それらと連携することで、もっと農業を成長させることができると考えます。日本の研究者でSankhuに来た多くが、この街が好きになります。ぜひ頑張っていただきたいと思います。

Samila san:ここで栽培したPotatoをポテトチップス、フィンガーチップスとして売ることは、前市長が居たときに既に始まりましたが、継続することが出来きませんでした。継続するためには、活動の集団化ができませんでした。個人では実施したいが、グループでは実施したがらない。理由は、面倒くさいのかよく分かりません。ラプシーをつかってパンを作ったり、飴を作ったりする人もいます。市としても、職員に農家の所へ行って、どうやって栽培しているのか観察し、問題を探り、解決するようにと指導している。いろいろ活動しているけれど、農家に分かってもらえないこともある。なかなか難しいです。

Osanami:農家は儲からなければやりません。しかし、儲けるまでには少し時間がかかるのです。そこを市が補助金などで支えるしか無いと思います。

Julum san:前市長が居た頃、小さなポテトチップスを作る機械を買って、作業をして、少し儲かりました。コロナ、ロックダウンがあって、作ってもマーケットに出回らなり無駄となることから、生産ができなくなりました。

Osanami:現在も施設はあるのですか?

Julum san:建物は借りて、機械を置いていました。6区のトップが機械を持っていってしまいました。まだ作りたい、作りますと言ったのにも関わらずです。

Osanami:時間が過ぎてしまいました。今日は来ていただいて有難うございました。私達のNPOは、研究者と専門技術者の小さなグループです。日本から知識やノウハウ情報を伝える事ができますので、これからもSankhuと交流を続けたいと思っていますので、お付き合いいただきたいと思っています。

Samila san:本当に今日は、Osanamiに感謝を申し上げます。なぜならSankhuに興味を持っていただき、心配していただいたからです。これからのSankhuの発展につなげたいと思います。新しい農業の現場もぜひ見ていただきたいです。

Osanami:Web Siteを通じて、古い写真などの情報を伝えるようにしたいと思います。今日は皆さん、有難うございました。

【番外編1】

Osanami:グループ活動はどうしてできないのですか?

Julum san:皆、誰も他人の下になりたくありません。自分の意見を一番に考えます。グループでやっていても、間違ったらその人の責任を問います。グループの代表者は決まりますけど、代表者の言うことを聞きません。

Osanami:祝祭では、皆さんが協力して実施しているのではないですか?

Julum san:仕事のグループと祝祭のグループは違います。話が合わず、合意ができないのです。自分が言ったことを皆に聞いて欲しい思いが強いのです。

【番外編2】

Osanami:Sankhuには不動産業はあるのですか?

Jeevan san:土地の取引はSNS、スマホで行っています。個人売買が主となっています。

Translate »